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DeepSeek禁止:DHS、米政府機関に同社AIの削除を命令

2026年10月20日に公開されたDHSの告示は、米国の文民機関に対し、DeepSeek(ディープシーク)と、そのモデルを基に作られたサードパーティー製ツールを削除し、購入をやめるよう命じています。

著者 Tech AI Wire Team

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ワシントンのSt. Elizabethsキャンパスにある国土安全保障省本部の1号棟(Building 1)。正面に旗が立つ赤れんがの建物です。
写真: Tia Duffour / U.S. Department of Homeland Security

米国土安全保障省(DHS)は、すべての連邦文民機関に対し、DeepSeekのAI製品をコンピューターシステムから削除し、購入をやめるよう命じました。2026年10月20日に公開されたこの命令は、DeepSeekのモデルを基に作られたサードパーティー製品も対象にしています。これにより対象は、DeepSeek自身のチャットボットにとどまらず、政府に販売するソフトウェアにそのモデルを組み込んで提供するあらゆるベンダーに及びます。

DeepSeekは中国のAIラボで、その低コストのモデルは無料でダウンロードして実行できます。この開放性こそが、命令の適用範囲を広くしています。DeepSeekのモデルは、DeepSeekの名前を表に出さないまま製品の中に組み込まれることがあるからです。

DHSの命令の対象

この命令は、政府の規則や告示を毎日掲載する官報であるFederal Registerに、告示2026-21447として掲載されています。2026年10月19日に提出され、翌日に公開されました。命令の内容は次の2点です。

  • Hangzhou DeepSeek Artificial Intelligence Co., Ltdとその関連会社が開発したIT製品・サービスを、文民機関の調達から除外します。
  • すべてのDeepSeek製品に加え、「DeepSeekの実装を使って開発されたサードパーティーの製品およびサービス」を、文民機関のITシステムから削除するよう命じます。

The Next Webによると、命令に署名したのはMarkwayne Mullin国土安全保障長官で、命令の日付は7月24日です。公開された告示には、DHSの法務顧問James H. Percival II氏の名前が記されています。The Next Webはさらに、この命令がDeepSeekを連邦政府の契約からも締め出すと伝えています。

ここでは「文民」という点が重要です。命令の対象は商務省などの文民機関で、軍は含まれません。

DHSがDeepSeekをリスクとみなす理由

Reutersによると、DHSはDeepSeekのモデルには「複数の脅威ベクトル」があるとしています。主な懸念はデータです。Reutersが引用した告示によると、この製品の使用は「米国政府の職員やベンダーが使用した場合、機密データがPRCに移転される結果を招くおそれがあります」。PRCは中華人民共和国の略称です。

Decryptはさらに別の一文を引用しています。そうした使用によって、中国が「米国人および/または政府機関に関する実用的な情報」を得るおそれがあるというものです。The Next Webによると、政府は、DeepSeekが大量のユーザーデータを収集し、中国政府が中国の安全保障関連法の下でそのデータにアクセスできることも懸念しています。同誌はまた、モデルにマルウェアやセキュリティ上の欠陥が隠されている可能性があるとも伝えています。

The Next Webによると、DeepSeekとワシントンの中国大使館はコメントしませんでした。

命令の根拠となった2018年の法律

DHSは、2018年の連邦調達サプライチェーン安全保障法(Federal Acquisition Supply Chain Security Act of 2018)に基づいてこの命令を出しました。この法律は、政府がサプライチェーン上のリスクと判断した技術を、連邦政府の調達やシステムから締め出す手段を与えています。サプライチェーンリスクとは、個々の不具合ではなく、製品がどこで作られたか、あるいは誰が管理しているかに由来する危険のことです。

命令はこれまでのDeepSeek禁止措置をどう広げるか

連邦と州の機関は、2025年初めから少しずつDeepSeekを制限してきました。今回の命令は、文民機関にとってこれまでで最も広範な措置です。

時期出来事報じた媒体
2025年1月国防総省のIT機関がDeepSeekのチャットボットをブロックThe Next Web
2025年4月下院の委員会が、DeepSeekは米国ユーザーのデータを中国政府に送っていると主張Decrypt
今回の命令より前商務省と海軍が業務用端末でのDeepSeekの使用を禁止The Next Web, Decrypt
今回の命令より前ニューヨーク州、テネシー州、バージニア州が同様の措置Decrypt
2026年7月24日DHSの命令の日付The Next Web
2026年10月20日命令がFederal Registerに掲載Federal Register

Decryptによると、同じ下院の委員会は、DeepSeekが約6万個のNvidia製チップを使った可能性があり、そのうち2万個は米国の輸出規制の対象だったと主張しました。

その間もDeepSeekはリリースを続けています。この1週間で、同社はV4.1-Flashモデルを更新し、推論エンジンのDeepInferをオープンソース化しました。

開発者にとっての意味

米国の文民機関に製品を販売しているなら、自社の製品を確認してください。命令は「DeepSeekの実装を使って開発された」サードパーティーのサービスを対象にしているため、クラウドAPI経由でひそかにDeepSeekのモデルを呼び出している機能も該当します。自社でホストしているDeepSeekのモデルも同様です。情報源にある告示の文面は、DeepSeekの重みからファインチューニングや蒸留をしたモデルがこの文言に含まれるかどうかを示していません。含まれないと決めつける前に、契約担当官に確認してください。

モデルの一覧を管理してください。AI機能ごとに、どのモデルを使っているか、誰がホストしているか、どうやって差し替えるかを記録します。これをすでに把握しているチームは、調達に関する質問に1日で答えられます。把握していないチームは、設定ファイルやベンダー契約を掘り返すことになります。

モデルを差し替えやすくしておいてください。コードが1つの内部インターフェースを通してモデルとやり取りしていれば、今回のような禁止措置への対応は、書き直しではなく、設定の変更と一通りのテストで済みます。

民間企業はこの命令に拘束されません。しかし、連邦政府の規則に従う顧客が同じ質問をし始めるかもしれず、すでに3つの州がDeepSeekを制限しています。次の動きにも注目してください。Decryptによると、FCCは10月29日に、中国のラボが米国向け電子機器の試験を行うことを禁じるかどうかを採決します。

出典

  1. Notice of Order Regarding Exclusion and Removal of DeepSeek Products From Federal Civilian Executive Branch Information Technology Systems and Procurements - Federal Register
  2. US banning Chinese AI DeepSeek from government agency IT systems - The Star (Reuters)
  3. US orders civilian federal agencies to remove DeepSeek from their systems - The Next Web
  4. US Orders Civilian Agencies to Rip DeepSeek Out of Government Systems - Decrypt

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