NetBSD 11、64ビットRISC-Vと10ミリ秒のmicroVMカーネルを追加
NetBSD 11.0は新しいMICROVMカーネルで仮想マシンを約10ミリ秒で起動します。64ビットRISC-V(リスクファイブ)のボードで動く初の安定版でもあります。
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- stated MICROVM kernel boot time
- 10ms
- hardware platforms supported
- 60+
- major NetBSD release
- 19th
NetBSD 11.0が公開されました。64ビットのRISC-Vチップで動く、初の安定版です。プロジェクトは2026年7月30日にリリースを告知しました。これが重要な理由は二つあります。オープンなチップアーキテクチャが成熟したUnixを手に入れたこと。そして新しいカーネルの選択肢が、仮想マシンを約10ミリ秒で起動することです。
NetBSDは自由に使えるUnix系のオペレーティングシステムです。Unixのコードを使わずに、Unixのようにふるまうという意味です。プロジェクトが掲げる目標は移植性、つまり一つのシステムを多種多様なマシンで動かすことです。バージョン11.0は19回目のメジャーリリースにあたります。
プロジェクトは2026年8月1日、この知らせをブログに投稿しました。「NetBSDプロジェクトは、(ようやく)11.0のリリースを発表できることを喜ばしく思います」と投稿には書かれています。括弧の中の言葉は、プロジェクト自身のものです。
64ビットRISC-Vという節目
RISC-Vはオープンな命令セットです。命令セットとは、プロセッサが理解する基本的な語彙のことです。誰でもライセンス料を払わずに、これを土台にチップを設計できます。だからこそ、ハードウェアのスタートアップや大学、研究者の関心を集めています。
リリースノートの言葉によれば、バージョン11.0は「64ビットRISC-Vプラットフォームのサポートを含む初の安定版リリース」です。最初に対応したボードは、StarFiveのJH71XXチップを搭載したものです。VisionFive 2とPINE64 STAR64の2機種で、どちらも小さなシングルボードコンピュータです。Phoronixも同じ2機種を挙げています。その記事は2026年8月1日に出ました。
このリリースでは、QualcommのSnapdragon X Eliteデバイスへの暫定的なサポートも加わりました。暫定的とは、起動はするものの作業が未完成だという意味です。Asahi LinuxもApple製ハードウェアで先週、似た一歩を踏み出しました。M3のMacを正式サポートに加えたときのことです。
高速な起動のために作られたカーネル
NetBSD 11.0には、x86とamd64のマシン向けにMICROVMという新しいカーネルが入りました。その目的は、リリースノートが「きわめて高速な仮想マシンの起動」と表現するものです。プロジェクトが示す数値は「約10ミリ秒」です。
仮想マシンは丸ごと一台のコンピュータを模したものなので、通常は起動に数秒かかります。それをミリ秒台まで縮めると、コンテナの速度に近づきます。コンテナは自前のカーネルを起動せず、ホストのカーネルを共有する仕組みです。この差が意味を持つのは、仮想マシンがコンテナよりもずっと厳密にコードを隔離するからです。
そのほかの変更点
残りの変更は、ファイアウォール、Linux互換層、そしてシステムが目標とする標準規格に散らばっています。
| 領域 | NetBSD 11.0での変更 |
|---|---|
| npfファイアウォール | 「レイヤ2およびユーザー/グループによるフィルタリング」を追加 |
| Linux互換 | compat_linux(8)がepoll、POSIXメッセージキュー、statxに対応 |
| 標準規格 | 「POSIX.1-2024およびC23のプログラミングインターフェース標準への準拠」が向上 |
| プラットフォーム | 60種類以上に対応 |
同梱の開発ツールも新しくなりました。
| コンポーネント | 11.0でのバージョン |
|---|---|
| GCC | 12.5.0 |
| OpenSSL | 3.5.7 |
| GDB | 15.1 |
| SSH | 10.3 |
Phoronixは、このリリースにSIMDによる最適化が入ったことも伝えています。SIMDは、一つの命令で複数のデータをまとめて処理する仕組みです。
2012年製のノートパソコンに入れてみる
リリースから5週間後、ある開発者が手作業でのインストール手順をすべて公開しました。その記事「NetBSD 11 from scratch」は2026年9月6日に出ました。使ったのは2012年製のHP Pavilionで、Intel Core i7、メモリ3.79GB、ディスク900GBという構成です。
この手順では、NetBSDの暗号化ディスクドライバであるCGDを使ってディスク全体を暗号化します。暗号にはadiantumを使い、鍵はpkcs5_pbkdf2/sha1で導出します。ルートパーティションは50GBです。
筆者は技術以外の理由も一つ挙げています。生成AIをプロジェクトに取り込まないという、NetBSDの姿勢です。
開発者にとっての意味
まず試す価値があるのはMICROVMカーネルです。サンドボックスやCIランナー、リクエストごとの隔離を作っているなら、10ミリ秒の起動は本物の仮想マシンをコンテナの起動時間に近づけます。ただし数値を信じる前に、自分のワークロードで測ってください。起動時間は全体の遅延の一部にすぎません。
RISC-Vを対象にしているなら、NetBSDはLinuxに並ぶもう一つの成熟した選択肢になりました。試すのに最も安いのはVisionFive 2かSTAR64のボードです。先に必要なドライバを確認してください。第一世代のサポートは、たいてい基本的な範囲しか覆いません。
compat_linuxの追加は、NetBSD上でLinuxのバイナリを動かす場合に効いてきます。epollとstatxは最近のサーバーソフトウェアでよく使われるため、以前は動かなかったツールが動くかもしれません。決めつけずに試してください。
C23とPOSIX.1-2024への対応は、移植性の点検にも役立ちます。自分のCコードをここでビルドすると、Linuxとglibcが黙って許している前提が浮かび上がりがちです。
出典
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